費用・準備物

フラメンコ準備⑦あったら便利なレコーダー

不安な時は録音で復習

GWやお盆休みのような長い休暇明け。
仕事に行くのもつらいけれど、フラメンコのレッスンに行くのも、身体もメンタルもきついなあと思う方、いらっしゃると思います。フラメンコを習い始めの時は、ここで折れて離脱してしまう場合も多いかも。
今日は、必須ではないけれど、あったら便利な勉強道具についてお伝えします。

スマホが良いか、ICレコーダーか?

ずばり、特にビギナーさんには私はICレコーダーの購入をオススメします。
速度調節ができたり、目印(トラックマーク)をつけて再生できるような、ちょっと良いものを選びましょう。私は6000円くらいで買いましたが、もっとお安く手に入ると思います。

毎レッスン60分間、私はすべての音声を録音しています。そしてレッスンから自宅へ帰る電車の中、翌週のレッスンへ出かける電車の中で、復習と予習のためにその音源を聞きなおします。
カスタネットの部分は、先生がやってくれるお手本の音を繰り返し聞きます。たまに1人ずつやる時は、自分のカスタの音が他者にはどう聞こえているのかをチェック。
足の練習の部分は、新しく習ったパソを再確認。レッスン中にできていたパソでも、時間が経つとすーっかり忘れるものです。「足音」の録音なので、ドタバタバンバン、何が何やらわからない騒音状態。そこを集中して、プンタ、プランタ、ゴルペの音の違いを聞き分け、記憶をたどって感覚を取り戻していきます。
先生の声も、かなりの有力な手がかりになります。そしてカスタ同様に、1人ずつパソをやる時があるので、自分の出している音、リズムをチェック。「うわー。ティコタタティコタタの連打、できてたつもりだったけど全然だめだったわ!」なんて、反省したりします。

この、カスタと足音の録音を聞くだけで、次回のレッスンでの習得度合いがかなり違ってきます。特にビギナーさんの場合は、レッスン中、先生が「右・左、あげてまーわーる」「横歩き左・右・左・右プランタ~!」というふうに声に出して導いてくれる事が多いので、録音にはヒントがたくさん詰まっています。レッスン習得度合いが高いと、進み具合も早いので、早く1曲を完成させることができます。

そして、CD音源にあわせて1曲を踊れるようになった時には、速度調節や目印(トラックマーク)機能が役立ちます。例えば速度調節は、「この曲、早すぎて自分は足がついていかずにちゃんとできない」と思う時、レッスン録音をちょっとテンポを遅くして再生し、練習することができます。遅めで練習して徐々に早くし、しっかりマスターできるようになります。

また、うちの教室ではクラシコのように発表会でもCD音源を使う場合は、「録音タイム」が設けられます。先生がスタジオに曲を流してくれて、それを各自が録音し、自主練で使うのです。生のギター合わせの時も、もちろん録音します。そして、先生の横やりが入って途中で踊りが中断・再開された時は、パソコンを使ってこの分断された2回の録音を編集して1曲を作ったりします。じゃないと、ギター合わせ後の自主練がイマイチ良くできなくて、直前リハーサルの時に「あなたたち何をやってたの?!」とお叱りを受けることもあるから。。。(あ、いえいえ、怒られるから、じゃなくて自分たちが全てやりきって納得した上で発表会にのぞみたいから。)

目印(トラックマーク)については、レッスン録音の足の連打(エスコビージャやスピーダ)のところに印をつけて、何度もそこだけ繰り返し再生して聞きます。自分の足がギターに先走ってどこでリズムを速めているのか、自分の足のリズムがどこでズレてあそこで裏拍に入らないのか、などなどを、根気強く確認します。通勤電車の中で、電車を待つ駅のホームで、信号待ちの時間で、足だけムズムズモゾモゾ動かしてリズムをとり、ハタから見たら変な人になる事もしばしば。「フラメンコあるある」です。ここが文科系のカルチャー習い事とは大きく違う点かもしれませんね。

ちなみに、スマホのレコーダー機能でも録音はできます。私はiPhoneなのでボイスメモで録音します。でも編集できるのはトリミングだけで、トラックマークをつけたり速度調節はできません。スマホとの2個持ちが面倒ですが、万能なのはやはりICレコーダーのほうです。

ICレコーダーと一緒に買っておくと良いもの

音声外部入力の、オーディオケーブルを買っておきましょう(上の写真左のもの)。100均で売っています。スマホやICレコーダーと、ステレオなどの音響機器をつなぐケーブルのことです。
レンタルスタジオへ行くと、だいたいはCDラジカセのような、ひと世代前くらいの音響機器が置いてあります。ICレコーダー自体からMAX音量で曲を再生しても、自分の足音で音楽が聞こえなくなってしまいます。ケーブルを持っていたら、レッスンの録音や、ギター合わせでの録音をステレオから大音量で流すことができて、自主練効果もあがります。

また、スマホアプリで「メトロノーム」もダウンロードしておきましょう。レッスン中は先生のパルマ(手拍子)があってリズムをつかみやすいですが、自主練の時はパルマを打ってくれる人がいません。メトロノームで速度を設定し、ひたすらストイックに、エスコビやスピーダの練習をしましょう。その音を、更に録音して自己確認するのも、自主練の質を大きく上げると思います。
今回はあまりコストのかからないお買い物の紹介です。あったらかなり重宝します。それに何より、俄然やる気アップ。長い休み明けのレッスンでも安心です。録音がとれていなかった時のショックといったら形容の仕様がありません。「フラメンコ、習い始めたはいいけど、週に1回だけだし忘れちゃうんだよね」「負けず嫌いだから誰よりもできる生徒でいたいんだよね」という方、是非、おためしください。

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