レッスン・発表会

フラメンコ発表会⑥前日リハ&本番

前日リハはスタジオで

私の教室では、発表会は日曜が多いです。よって土曜日の前日リハは教室のスタジオを会場に見立てて行います。コストの関係で、会場でリハできるのは当日のみなのです。本当は、少しでも早く本番の舞台で踊って、床の状態(滑りやすいかとか、立ち位置の目印になるものはあるかとか)を確認したいのですけれどね。
よってスタジオ床に舞台のサイズのテープを貼って、リハを行います。出演者は衣装を身に着け、舞台監督さんや照明さんにも参加していただき、1本勝負で踊ります。なんで照明さんが?と、最初の頃は思いましたが、私たちの衣装の色やキラキラ加減を見て、当日の照明を考えてくださっているのです。色んな方たちの協力のもと、発表会は成り立っています!

本番当日は9時からリハ!

教室リハ終了後、クヨクヨする暇もなく当日の日曜の朝が来てしまいます。16時頃の開演なのに、なんと9時集合です。(全20曲なので、上演時間は3時間以上!)しかもけっこうみんな、ヘアメイクが済んだ状態で、朝食、昼食、夕食、栄養ドリンクを買い込んで現れます。

なぜって・・・9時から曲順にリハが始まるのです。前半に出番があると、ヘアメイクは早く済ませておかないと、中途半端な顔のできあがりで舞台にあがる事になってしまい、せっかくプロのカメラマンさんがリハから撮ってくれる密着写真の自分が、ほぼすっぴん状態の悲しい結果になるから。睡眠時間が削られても仕方ないですね。。

先生からの容赦ない鉄拳が飛ぶ

さて、当日リハは客席にマイクを持った先生が座っておられます。間違ったり、1人だけ位置を飛び出したりすると、「○○~~~!なにやってんの!アナタだけよ!」的なお叱りの声が飛んだり、ひどい時は一切無言、あきれ顔のノーコメントで、何も言ってもらえません。最後のほうはもう下を向かれて、見てくれない時もあります。

「先生何も言わなかったね。かける言葉すらないくらい私達ヒドイって事だよね。」と、楽屋に帰りながら猛反省したり、色んな感情が渦巻きます。

傷つきますよ、生徒側も。悔しくてたまりませんよ。

仲間を信じて、自分を信じて

それでも、楽屋でみんなで過ごす時間はとても楽しいです。踊り以外では、髪の櫛や花の位置を見てもらったり、マントン巻きの手伝いをしてもらったり、自分では手が届かない衣装の背中のホック止めなどをしてもらっています。この頃は、互いに仲間を信じ切っているし、その一方で、誰かが失敗しても、大丈夫。他のメンバーがカバーする。何かトラブルが起これば私が立て直すわ!!くらいの勢いを、それぞれが静かに持っています。こういう時に、先輩ズラして他人の指導をしてくる人や、他人のミスを責めてくる人がチームに居ないということは本当に奇跡。群舞において本番の踊りの仕上がりはチーム力に非常に左右されます!

「大人数だからちょっとくらい間違ってもいいや。」という安心感ではなく、「私はこの人達と一緒にやってきたんだから大丈夫だ。」という自信が、気持ちを強くさせます。結果、本番終了後に、「ねえ、あんな良い踊りができるんだったら、普段からやってくれない?!」と、先生がびっくりされることも。

発表会で大失敗

記憶から消し去りたいくらい、写真も一切買いたくないくらい、大失敗する時もあります。人間だもの。
舞台上でツルッと転んだり、マントンがからまって取れなくなったり、カスタネットの紐が切れたり、帽子(コルドベス)がコロコロ~っと転がったり、アバニコがすっ飛んだり、スカートが落っこちたり、色々、色々。

それは、来年の発表会へのエネルギーに変えていくしかありません。終演後はもう、次の1年を見据えています。
「先生、来年はあの曲をバタでやりたいです!」
「先生、わたしも○○、早く踊りたいです!」
発表会終了後は、「やっと終わった!もうあんなに踊らなくていい!」という安堵感と前向きな気持ちが溢れます。

変わっていく自分を感じる

発表会に出ると、大きな山を越えます。できない所はとことん練習するし、人に見てもらうための踊りを、自分なりに研究します。自己満足自己完結の踊りと、人に見せる、伝える踊りを体験するのとでは、成長の度合いが全く異なります。だから、発表会には是非、参加していただきたいのです。確かに、大変なイベントです。でも、あ、変わったな私って、必ず、思います。

一歩、踏み出してしまえば、あとは上昇気流に乗るだけ!更に美しく、更にたおやかに、その先のその先を目指しましょう!

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